第1幕

 昔々のその昔。ゴールドランドという国に、シンデレラという娘がいました。
 シンデレラは容姿も心も、大変に美しい娘でした…と、言いたいところですが、残念な事に、美しいのは顔とスタイルだけ。性格はわがままでいたずら好き、姉のアナスタシアを毎日いじめては、母親に叱られている、そんな娘でした。
 心優しい姉には貴族との縁談が決まり、お城から舞踏会の招待状も届いています。シンデレラは、その招待状を姉から取り上げ、自分が舞踏会に行こうと企みます。
 怒った母親が、罰として舞踏会には行かせないと言うと、シンデレラは自分のやった事を棚に上げ、自分はまるで悲劇のヒロインだと嘆く始末。
 あまりに身勝手なシンデレラに呆れる母親のところへ、突然、姉の婚約者から知らせが届きます。何と明日に予定していた結納を、急遽、今日にして欲しいというのです!
 わがままなシンデレラがいては、結納をめちゃくちゃにされてしまう、と恐れた母親は、シンデレラを結納の場から遠ざけるため、舞踏会へ行かせる事にしました。
 姉の結納の事など何も知らないシンデレラは有頂天。母親が大事にしてるガラスの靴をちゃっかり拝借し、お城の舞踏会へ出かけたのでした。

第2幕

 お城の舞踏会では15歳になる王子様が花嫁候補を探していました。そこへ、目を引く美人がやってきます。それは勿論シンデレラ。しかし彼女のわがままぶりと、ひどい性格はお城でも有名で、すぐに追い出されそうになります。
 ところがシンデレラは、そんなひどい性格の女性は私じゃないわ、全くの別人よ!と、しらを切り、自慢のお色気と美貌を使って、まんまとその場を切り抜けます。
 ますます調子に乗ったシンデレラは、目の前の少年が王子とも気づかず、彼が大切にしてる銀のバラに目をつけます。お色気で迫り、王子が油断した隙に、銀のバラを奪って逃げてしまいました。お城に片方だけ、ガラスの靴を残して。
 一方、シンデレラの家では姉のアナスタシアの結納も無事に済み、母親は上機嫌。
 そこへ帰宅したシンデレラ。ガラスの靴は片方お城に忘れてくるし、良い男もいなかったと不満顔。
 するとそこへ、突然お城からのお触れが飛び込んできます。王子様が、舞踏会で自分の大切な物を盗んだ犯人を探しているといい、お城に残された
ガラスの靴を証拠に、その靴がぴったり合う女性を探しているとのこと。
 銀のバラを奪っていったシンデレラは顔面蒼白。
   あの少年が、王子様だなんて!?
もしも見つかったら捕まってしまう、と怯えるシンデレラと母親の元に、王子の来訪を告げる声が……!
シンデレラの運命は、どうなるのでしょうか!?